ウエスタンレッドシダーの家づくりで、海辺の工務店は、湘南の住宅建築の中心的存在へ。
WRS(ウエスタンレッドシダー=米杉:ベイスギ)でつくる北米スタイルはいまや湘南の代表的住宅スタイルだ。
下請け工事も多かった平塚の小さな工務店は、その施工の緻密さと創造力で、いまや湘南を代表する規模のホームビルダーに展開している。
ドイツ語で年輪を意味するというバウムスタンフ。いちばん外側の表層に見えるのはレッドシダーかもしれないが、中核にあるのは湘南独特のライフスタイルを具現化するというホームビルダーとしての大きな使命だ。
取材◎藤原靖久 撮影◎山本倫子
レッドシダーを用いた家づくりは依然として弊社の家づくりのメインにあります。ほとんどはベベルサイディング(鎧ばり)や縦ばりのスタイルを望んでいるお客様が多いです。ただお客様によっては米杉とモルタルとのコンビネーション、室内装の美しさ(天井の米杉や床の無垢材など)を得るためにバランスよく使って欲しいというお客様も多くなりました。米杉というコアはぶれていないのですが、自然素材をメインに高いクオリティを落とすことなく家づくりをしています。
近年ではどんな部位や材料でお家を建てるかではなくて、お客様がどんなライフスタイルを望まれているかが重要なのだと思っています。抽象的になりますが、私は湘南ならではのスタイルというものがあると思っています。湘南らしいラフな部分もあればキッチとした部分もある。どんな流行も受け入れるけれど自分たちの生活スタイルはけっして変えない。そんなご自分のスタイルをお持ちの方が弊社に来られます。私たちはこういう住まい方をしたいと必ずおっしゃいます。
たとえば主寝室は小さくていい、大事なのはリビングでいつも家族が一緒にいて寄り添えるようなお家がいいと。となると寝室は3.75畳でいいのです。代わりにリビングはお家の中でご家族に一番いい場所を中心にプランを起こしていきます。
米杉という形だけですといまではどの会社でも真似ができますが、でもそこがいつの間にかぶれていくんですね。家づくりとは最後は人と人がつくるものです。私自身、昔はレッドシダーの家を見てこういうお家が作りたいんだ、弊社はこんな家ができるんです! という感じでしたが、その意味では弊社はこれまでの米杉の工務店から生活スタイルを重視する工務店に変わってきているのだと思います。ですから弊社は営業的にお客様を追いかけたりする必要がありません。
初めて来られるお客様にはノートを1冊作ってご用意くださいとお願いしています。そこにご夫婦それぞれが希望していること、やりたいことを書いていただくようにお伝えします。限られた予算の中での家づくりですから、ご自分のライフタイルでそれに順位をつけてくださいとお願いしています。予定している土地も見て欲しいといわれればすぐに現場に行って意見を添えてご連絡しています。
家は一生で何回も建てるものではないし、同じお金を出すのならいい家を作って差し上げたい。「うちは空調システムや耐震システムが素晴らしく良い材料を使っています!」 ではなく、「鶴田さんと話しをしてたらもしかして家づくりを楽しめるのかもしれないと思ってきました」と言っていただけることが最高です。いちばんの喜び家をお引渡しするときにご夫婦が喜ばれるのは当たり前ですが、お子さまが家の中を走り回って喜んでいる姿を見て、「良かったなあ」といつも思っています。幸せを差し上げられたなと安心します。
いくら仕事が多くなってもそんな「初心」は忘れません。これからはさらにバウムスタンフのかたちを強くつくっていかないといけないなと感じております。
弊社はモデルハウスを持っていませんが、建てていただいたお客様全員がモデルハウスになっていただいています。その声をお聞きいただければと思います。おしゃれな湘南の家づくりをされたい方は、ぜひお越しください。
湘南地域の家づくりのことは知り尽くしていますので、いい家を建てられると確信しております。
鶴田幸夫*1964年生まれ56歳。群馬県出身。中央大学卒業後、大手旅行会社に就職。その後ゼネコン、住宅会社を経て(株)バウムスタンフ(現在は藤沢市)に入社。2009年から代表取締役。現在7期13年目。趣味は自転車、バイク、旅行など。