ご主人の広明さんがウインドサーフィンに熱心だったことがきっかけで葉山町を移住先に選ばれたのが2012年。土地は地元の不動産業者さんの案内で購入し、ご覧の通り、毎日葉山の海と富士山を望むことができる高台にあります。
「海のそばで暮らしたい」ただ純粋な気持ちがきっかけでした。
葉山移住を決めたのはウインドサーフィンのメッカである海はもちろん、ご主人のお仕事が外資系企業の技術者で、リモートワークに適していてことは大きい。そして現在も米軍施設で働く奥様にとっても車通勤は葉山生活にぴったりだった。
「電車が不便? でもまあ、いいかって感じですね。葉山に移住している人はそれほど通勤を苦に思っていないように感じます。それ以上にこの環境が好きなんです」と明子さん。
移住を果たしたあとのお二人の暮らしぶりも、とてもユニークです。
新居ができてからというもの、ご主人は広い庭をたったひとりで整備する。ショベルカーを購入してダンプ5台分くらいの土を入れ替えて整備したお庭には、芝生、野菜や果物の菜園、バラ園、パーゴラまでつくり上げたのです。
もちろんウインドサーフィンにも熱心で、休日は練習に明け暮れて、ついに2017年には日本中からウインドサーファーが集まる大会である全日本アマチュアスラロームのオープンクラスで優勝するまでに腕を上げました。
「葉山に来て良かったこと? ここに友達を招くこと、海近かですから都内からも喜んで来てくれます。それに庭をいじっているときが幸せですね」
昨年ご自身で会社を起業し、IT の分野で新たな挑戦を始めている。
「まったく新しい環境は大変でしたけど、この景色があればまた明日も戦場に迎える、そんな感じです(笑)。葉山は移住者も多く、この土地が好きだから来ているので、自然とお友達が増えるんです。いろんなお友達と美味しいご飯とワインを持ち込んでホームパーティーをしていますよ。それは独特ですね。移住? 案ずるより産むが易し(笑)ですね。 毎日が自然の中で生活しているので予想以上に自然に癒されています。この景色を見ながら人生の中で大切なものはなんだろうって真剣に考えています」と明子さん。
移住してなにか困ったことはありますか?
「もうすっかり(葉山の)中の人になってしまったので、わかりません(笑)」
強いモチベーションを保ち続けること、新たな発見と感動を見つけること、それが何より移住成功の鍵なのかもしれないですね。
取材:藤原靖久 撮影:山本倫子