土地探しからはじまった東京からの湘南移住。結婚当初2年間住んだことのある茅ヶ崎が心のどこかに残っていて、便利な港区での生活から海の街に戻ってきた。具体的な理由が思い浮かばなくても、茅ヶ崎が心地良いのはゆっくりと流れる時間と海があるからなんだろうか。
湘南といっても東は逗子葉山から西は大磯あたりまで(大磯が発祥の地という説もあるが)その範囲は広い。著者の個人的な感想だが茅ヶ崎といえば湘南のど真ん中といったイメージ。それは地元のスローなリズム、人の良さ、海との親和性、、、とくにエビデンスはないけれど。
自ら「転勤族」と話すS様は東京に勤める会社員。結婚前に沼津と渋谷という距離感にいたおふたりが選んだのが茅ヶ崎だった。ここに2年住んだ後、名古屋、港区三田の社宅と転居が続いた。そろそろ住宅をと考えはじめたとき、おふたりの頭に浮かんだのが茅ヶ崎だった。
土地探しがはじまったのはコロナ禍の頃。湘南は移住ブームで活況を呈していた頃だ。とくに「茅ヶ崎」は人気が高かった。なかなか思うように良い土地が見つからず、茅ヶ崎駅の北側にまで候補を広げたがそれでも納得のいく物件がない。「心が折れそうでした」と笑う。
そんな折、紹介されたのが海からわずか2分の住宅地の一角。旗竿の土地だが60坪のゆったりとした敷地だった。隣地に建っていたウエスタンレッドシダーの外壁の家を見て「バウムスタンフに家づくりを依頼したんです」と明かしていただいた。
「2階に大きなリビングと広いバルコニー」がご希望だった。3人のお子様の子育て中ということで地元の女性建築家が担当することに。随所で生活実感のある女性目線の仕様が目に入る。
それにしてもなぜ茅ヶ崎に? その質問に明確なご返事はなかったけれど、ご夫婦がともに共有した終着点だった。
「茅ヶ崎はゆっくりしています。しばらくは駅まで20分かけて歩いて通っていましたが、いまは諦めて自転車を利用しています。今のところマリンスポーツはしてないけど週末は家族みんなで海に行ってのんびりビールを飲んでサーファーを眺めています」と笑う。
サーフィンをしなくても、茅ヶ崎ライフは十分に楽しめるようだ。
·神奈川県茅ヶ崎市S様邸
・敷地面積/208.70㎡
・建築面積/74.57㎡
・延床面積/124.83㎡
1階/ 59.46㎡
2階/ 65.37㎡
・構造 木造2階建て 3LDK+ガレージ
・設計・施工/株式会社バウムスタンフ
・ 家族構成/5人(子ども3人)
・ 屋根/ガルバリュウム鋼板
・外壁/信州カラマツ
・ 床材/チーク
・ 壁/ビニールクロス
・ 天井/米杉(ウエスタンレッドシダー)
BUILDER’S NOTE
ご結婚された当初住まわれていた茅ヶ崎で土地探しからご一緒させて頂きました。専用通路の奥に広いスペースのある敷地にご縁があり、ご希望であった2階リビングに大きめのバルコニーが実現しました。お子さんが3人、LDK+勉強スペースがそれぞれ見渡せますが、おもちゃがしまえてランドセルや学校のものが置いておけるように、それぞれのスペースを設けてあります。