わたしたちは今、アフターコロナの新しい生活様式についてあらためて模索しています。わたしたち個人個人が人生観を見つめ直すチャンスなのかもしれません。
最近では東京近郊の移住先として、千葉県が注目されます。
とくに海のある外房、サーフスポットに近い一宮町、いすみ市周辺はサーファーだけでなく、自然の中で子育てをしたい、通勤圏内で家族との時間を増やしたいなどの、期待を込めたご家族の移住があとを絶ちません。
佐藤さんご夫婦はほんの1年前までは湘南・辻堂に住んでいた。湘南のど真ん中、辻堂海岸にほど近いアパートで16年を過ごしました。ご主人はロングボードを楽しみ、都会の人が羨む典型的なオシャレな湘南ライフでした。
辻堂周辺はいまや首都圏でも屈指の「海が似合うオシャレな街」。駅直結のSCには休日には交通渋滞が発生するほどの人気です。
佐藤さんご夫婦はアウトドアが大好きで、各地にキャンプに行ったり、千葉・館山の友人宅に遊びに行くことも頻繁で、しだいにおふたりはカントリーライフの魅力にとりつかれていったようです。
そんな中で知ったことは、千葉県の土地の相場が想像以上に安いこと。
お二人の理想的な暮らしをビルダーである「つるおか工務店」にしっかりと伝え、理想的な南欧風カントリーハウスが2019年12月に完成しました。
ご主人は大手自動車メーカーのエンジニア。最近では実験以外はテレワークになっていて出勤は週に1、2回だそう。通勤経路は、自宅から車で一宮駅まで(いすみ市の移住政策で一宮駅周辺の駐車料金に補助金が出る)、外房線急行に乗って東京駅まで1時間30分。さらに勤務先まで通算片道3時間の旅。
これほどの通勤事情に耐えるほど、外房ライフの魅力はどこにあるのでしょうか?
自宅に伺うといろんな場所で、ご主人自作のDIYが眼に入る。ベッドルームの木製内窓、キッチンのつり棚、直近では敷地奥にスケールの大きい倉庫を建設中。移住してから近所の製材所に通ってテクニックを吸収したほどの入れ込みよう。
プロのパン製造技術を持った奥様は、自宅でPADDY FIELDという名前のパン屋さんをオープンさせる。まもなく釜も設置されるそうだ。そんなエネルギッシュなおふたりを制御するものはなにもない。たとえ片道3時間の通勤時間を犠牲にしても。
外房でも移住増加が顕著な一宮町は日本でも有数のサーフタウン。地元のサーファーたちが長年夢見てきたその賑わいは、若者たちがその中心ですでに日常的で都会的でもあります。おふたりがあえて一宮町ではなく、隣町のいすみ市を選んだ理由がそこにありました。もっと静かに、自然に囲まれてゆったりと暮らしたい。そんなお気持ちを抱えていたのでした。
「目の前の田んぼは、田植えの頃の池のような表面が、稲が育って緑の絨毯のようになり、秋には黄金色に変わっていくんです」
自然に中で暮らす人にしかわからない、季節の変化を奥様はこう話す。
房総千葉は、決してオシャレの最先端の街ではない。海と山に恵まれた大自然こそが宝物。自分の人生は自分でつくる、そんな力強さが佐藤さんご夫婦にはあるのです。
千葉県いすみ市S邸
敷地面積/717.40㎡(217坪)
延床面積/119.01㎡(36坪)
1階/92.56(28坪)
2階/26.45(8坪)
構造/木造ツーバイフォー工法 2階建
間取り/3LDK
設計・施工/有限会社 つるおか工務店