生まれ故郷の逗子・葉山、東京の大学、人材コンサル企業を経て地元に戻るUターンを果たした鈴木さん。都市での暮らしや将来の約束された生活像が見えてくると、新しいことに挑戦したくなる。だがそれは、彼のなかでは逗子、葉山でなければならなかったのである。そのエネルギーの源は「強い地元愛」に他ならなかった。
まだ、31歳ととても若々しい。
祖父の時代から一家は逗子に住んでいた。昭和の時代に交通の不便な葉山から東京へ通うサラリーマンだった父を「尊敬しています」というほど鈴木さんご自身は電車嫌いでもある。
大学2年の頃から「人は何のために生きるのか、人間の真の幸せや成功とは何か」を追求し、心理学・コーチング・成功哲学などの書籍やセミナーに自己投資を始める。
「就職してからの自分の将来の生活が見えてき始めた。大手企業に入って家を建ててどんな車を持って、それが見えてきたんです」。そこから「自分探しの旅」が始まった。とはいえ卒業後は教育系コンサルティング会社に就職する。数々の武勇伝を残して2017年独立。現在は地元逗子に戻って地元企業を中心に組織の右腕として、人事コンサルティングや組織活性のサポートを行なっている。
「とてつもなく地元愛がつよい人間」なのである。
「逗子・葉山の魅力は、自然豊かな海と山。そこに住む「人」の面白さ。そして、その土地と人から生まれる独自のカルチャー。世界に羽ばたくような大きな仕事をしている人が普通に逗子・葉山で生活している面白さ、そんな街であるといいなと思っています」
そして「そんな人と人を結びつけるハブになってみたいと思っているんです」
鈴木さんはオフィスを持たない働き方。逗子駅の近くでシェアオフィスを持つフリーランスだ。時には海辺のカフェでコンサルティングすることもある。
鈴木さんにとって「移住のカタチ」とは?
「これは各自の問題ですが、まずスキルを身につけること。二つ目はとりあえずすべてを捨てて(湘南に)入ってみること。思いがけない人とめぐり合うことがあります。つまりリスクをとることです」
湘南、ここにはさまざまな個性的な生き方が見られる。一斉に右を向いては左を見る都会の生活とは距離を置く「面白さ」に溢れているから、とてつもなく大きな数字に展開するチャンスとリスクがあるのだ。1+1はけっして2ではないようだ。
プロフィール*鈴木一生さん/1986年生まれ。葉山町堀内で育ち、その後逗子へ。神奈川県立鎌倉高校、早稲田大学を卒業。大学在学中の20歳から、「人は何のために生きるのか」「人間の真の幸せや成功とは何か」を追求し、心理学・コーチング・成功哲学などの書籍やセミナーに自己投資を始める。ミッションは、家族を愛すること、愛する逗子・葉山に貢献すること、人の人生や組織のより良い変化に携わり、世界の調和に寄与すること。趣味は、トライアスロン。幻冬舎が刊行するGOETHEのトライアスロンチームGLT(GOETHE Loves Triathlon)に所属。