アートやCM制作などで多忙な鶴堀さん。月に何回かは東京で演奏や打合せをこなしているが、キャンピングカーで走るから千葉と東京の移動は「慣れたもの」。平屋、ドッグラン、半歩の移住、ちょっぴり田舎暮らし、、、、それはさまざまに活動するクリエーターにとって最高の環境なのかもしれない。
まだ早い朝の光を浴びながら体を馴染ませるようにウッドデッキに寄りかかっている姿はアーティスト鶴堀貴之さんである。
2年間イギリスの美術大学に留学後、音楽やイラストレーション、アニメーション、アート、デザインなど国内でも幅広く活躍されているクリエーターだ。自称「ひとりクリエイティブ集団」と笑う表情はとても柔らかい。いすみ市の高台の町にゆっくり流れる時間を楽しんでいるようだ。
東京都調布市で暮らしていた鶴堀夫婦は、4年ほど前からバンライフに憧れて10ヶ月間キャンピングカーで北海道から各地を回って暮らしていた。九十九里もよく訪れてはいたが、この町はなんとなく通過していたと話す。海や湖などで「水辺の暮らし」にも憧れを持ちはじめてから、スマホのWEB検索で飛び込んできたのは理想としていた「平屋」で「ドッグラン」がある暮らしの情報だった。
「がっつり田舎暮らしでもないし、比較的人も少なくて落ち着いた雰囲気の海が気に入った」という。はじめは中古物件を見たけれど、土地価格が安いことからそれをきっかけに、土地を購入して新築住宅をプランすることに。たしかに房総移住のメリットとして土地価格が安いことは家を建てようとする強い追い風になる。移住と家づくりを想像もしていなかった夫妻は、一気に房総移住を目指すことになった。
最初に見た中古物件はコンパクトな平屋で、それが二人の理想型となっていきこのままの間取で建てようとさえ思ったほど。しかしそこでつるおか工務店の新たなアイデアで完全にリセットされ新築の注文住宅に。家を建てる前に施工例をたくさん見学させてもらったが、「つるおか工務店で建てたみなさんがとても幸せそうだった」ことは、温かみと大きな安心感を生んだと振り返る。
室内は白とダークな自由な色彩でセンスよくまとめた。建築中は毎週のようにいすみにやってきて、配色や材料、設備のことなど、細かく打ち合わせを重ねた。
1階リビングは30畳近い大空間、高さも不自由がない大きなロフトは寝室として利用し、ゲスト用とワークルーム2部屋というコンパクトさ。そして広いドッグランはようやくDIYで垣根ができあがったところだ。夏に向けて芝生の育成はこれからゆっくりと進めるらしい。
2024年10月の完成後、おふたりはひと冬を過ごしたが、床暖房なしでもエアコン1台で「十分暖かかった」と話す。壁や床、天井が一体となって隙間が少なく断熱材を効率よく配置できているから一年中快適に過ごせるのだ。
鶴堀さんは月に何回かは東京で演奏や打合せをこなしているが、キャンピングカーで走るから千葉と東京の移動は「慣れたもの」。平屋、ドッグラン、半歩の移住、ちょっぴり田舎暮らし、、、、それはさまざまに活動するクリエーターにとって最高の環境なのかもしれない。