千葉県御宿町・Nさんの暮らしかた
取材協力:つるおか工務店(千葉県御宿町)
取材・撮影*ワイズクリエイティブオフィス
ウイズコロナでは、都会を離れて郊外に移住する人たちが後をたたない。さまざまな生活の変容によって、移住やデュアルライフ(二拠点生活)も選択肢の一つだし、世代的にはセミリタイヤというさらに自由な形態もある。
セミリタイヤにふさわしい房総ライフ
雄大な房総半島から見る太平洋は、湘南がある相模湾の美しさとは違って、濃い青と力強いうねりが魅力だ。
アメリカ・カリフォルニアとイタリアで通算16年ほど海外で勤務したNさん(62歳)にとって、早くから決めていた「アーリーリタイヤ(早期に現職から解放される人生)」にはこの御宿台は理想的なフィールドだった。1500区画ほどの宅地があり、終の住処とするシニアから、最近では地元の若いファミリー層も移り住んでいると聞く。JR御宿駅に近く、治安の良さと整然とした区割りされた美しい街並みは魅力的だ。高台からは太平洋の大海原を望むこともできる。
「湘南の美しさも知っているけど、このカントリーサイドの雰囲気、波、それにゴルフ場など総合的に考えてここに決めました」
八王子にも自宅マンションがあるNさんの日常は、3分の2がこの御宿台で愛犬と過ごすデュアルライフ生活だ。
くだんの通り、住まいは長く過ごした南カリフォルニアの住宅を再現したもの。アメリカンなラップサイディングの外観と大きなカバードポーチ、外シャワー、室内には薪ストーブ。遊び道具は屋外の自作の小屋に収めてある。
コロナ禍のなかで、芝生の育成や菜園と小屋づくり、サーフィンとゴルフ、愛犬との散歩。それは早くから決めていた「アーリーリタイヤ(早期に現職を離れる人生)」、まだ会社に籍をおくセミリタイヤだが、なんとも羨ましいかぎりだ。
大きな勾配天井のリビングに、午後にふさわしいジャズが流れる。
新型コロナは、私たちの生活を大きく変えた。必要以上に人と会わなくなり、家族を見つめ直し、職業や生き方までも変えたのだから。
海と山、おしゃれな街もある湘南、サバービア(郊外)な房総ライフ。選択肢は多いほど楽しいが、迷っているうちに人生が終わらぬよう、心がけたい。
[住宅DATA]千葉県御宿町N邸
敷地面積/730.03㎡(220.83坪)
延床面積/103.92 ㎡(31.5坪)
構造/木造ツーバイフォー工法 平屋
間取り/3LDK
設計・施工/有限会社 つるおか工務店
MATERIAL
●外部仕上げ
屋根/シングル葺き
外壁/ラップサイディング
● 主要内部仕上げ
床材/パイン材(20mm)
天井/クロス仕上げ