鎌倉市*熊谷昌彦、祐子さん 写真*山本倫子
「ずっと前から鎌倉が好きでした」奥様のその熱い想いだけで、今こうしておふたりは鎌倉に住んでいます。海外から帰国して鎌倉に住み、情報を収集しながら新居を構えた。ここに住みたい! 願うことは実現するものですね。
熊谷さんご夫妻がこの素敵な住まいを手に入れられたのは、2年間、この近くのアパートに住んだことが効果的だったのです。
静岡県浜松市ご出身の妻の祐子さんは、ずいぶん前からここ鎌倉がお気に入りだでした。ことあるたびに鎌倉にショートトリップしたり、その魅力に惹かれていったそう。その後、2年間のオーストラリアでの海外生活を終えて帰国して、居を構えたのは故郷ではなく、ここ鎌倉でした。「鎌倉に住みたい」看護師資格を持つ祐子さんは、ただその思いから勤務先も鎌倉近辺を選んだほど。
土地や家は「縁」だというけれど、不動産の情報はその土地にいてこそ得られる情報も多いもの。新聞チラシや地元の情報ペーパー、そして何よりすぐに物件を確認できるというフットワークの軽さはとても重要で、この家も、まだ古家がある売出し物件で、フルリノベーションをかけて再構築したもの。
まだ、おふたりがアパート暮らしのころ、鎌倉駅から部屋までの途中、気になる建築中の家があった。外壁にレッドシダーを纏った家、それが建築中のsolasioの設計施工の家だったのです。土地情報と工務店との出会いはこのように、いつも奇跡的なものかもしれません。
著者の勝手な想像だけれど、奥様のような看護師さんはストレスの多い職業のひとつで、その解消法としてスキューバーダイビングなどで、無になれる時間を求めがちな職業だそう。
二階のリビングは、それほどの広さはないけれど不思議に開放的で、一番奥にはネイビーとイエローの2色の椅子が、仲のいいご夫婦のように寄り添って並んでいます。イエローの椅子に腰を下ろせば、南側の大きな窓から鎌倉の緑が稜線を描く。「ずっとここにいて、木を眺めているんです」
ストレスの開放には、木はとても効果的なもの。木の年輪には時代を記す証があり、今も生きていると思うと不思議な気持ちになるのだそうです。
おふたりが一緒に過ごす休日は、鎌倉の散策、散歩が多い。稜線をつなぐ道を歩く。鎌倉に移住したことで、生活の中に心地よいリズム感を生み、幸せな時が流れているのです。
教えて! 海そば移住の○と✖️
Q:湘南に移住してよかったこと
たくさんの自然と歴史ある古い町並みを楽しめること。ご近所の人、お店のかたも温かい。
Q:移住をしてビックリしたこと
選挙の時にサーフィンのウエットスーツで投票所に来ていたご夫婦がいたこと
Q:移住してから困っていること
道が狭く車が入れない時間帯があること
Q:これから移住を考えているかたに一言
自分がその町を好きかどうかを確認するためにも住んでみてください。思わぬアドバンテージがありますから。