湘南で生まれ育った施主のI様が、東京や地方の暮らしを経験しながら、あらためて定めたのは湘南の丘の上の住まいでした。海があって開放感に満たされ適度なスピード感のある湘南を再確認。リラックスする日常のためのこの住まいのテーマは「心休まる家」でした。
神奈川県藤沢市I邸
取材・文◎ 藤原靖久
撮 影◎ 山本倫子
東京都内から伊豆、そして大船と転勤を重ねたI様。地元湘南に戻って庭のある居住空間を夢見て、藤沢の丘の上に住まいを計画しました。
平日のハードなお仕事から心身を癒すために、のんびりと旅行してリゾートホテルで過ごすような日常を求めたのです。テーマは「心休まる家」。
エントランスからとその反対側から二方向からの光景。パントリーや冷蔵庫などを上手く隠してすっかり生活感をなくしたリゾート感覚。家具や1枚板のテーブルに合わせるように厚幅のブラックウォールナットの色あいがシックにまとまっている。南側に大きな吹き抜けを設けたため採光は申し分ない
パントリーや冷蔵庫などを上手く隠してすっかり生活感をなくしたリゾート感覚。家具や1枚板のテーブルに合わせるように厚幅のブラックウォールナットの色あいがシックにまとまっている。南側に大きな吹き抜けを設けたため採光は申し分ない
ホスピタリティ溢れる南の島のコテージのように、高級感がありながらけっして派手すぎないファサード。緩やかな石段に導かれるようにあがると、大きなシューズクロークがある土間のエントランス。右手はインナーガレージへの扉。さて、最初のインパクトは吹き抜けを持つ大空間のリビング。ブラックウォールナットのブラウンが大人のリゾート感を演出してくれるようです。
さて、(株)solasioでは、設計に至るまで施主からのヒヤリングに相当な時間をかけるそう。中には数10回の打ち合わせがあったとも聞く。靴の数、食器の数、家族全員の暮らし方の隅々までヒヤリングするのです。既存の概念を捨てて建てる、ある意味スクラップ&ビルドのテンプレートのない家づくりなのかもしれません。
その答えは、十人十色、そして結果、施主のほとんどがその完成度に満足し、生活をエンジョイしているのがわかります。
丁寧な家づくりとは施主とビルダー(工務店)との信頼の積み重ねなのでしょう。ご家族全員の笑顔がそれを物語っていました。
間のように使いたいエントランス。シューズクロークはもちろん腰掛けの下もたっぷりと収納スペースになっている キッチン横には7メートル余りのカウンターテーブルを設置。キッチンに立つママのそばでこどもたちは宿題に励みます
階子供部屋から続くキャットウォークのような廊下から見下ろせば、ご家族の笑顔がいっぱいです リビングの半分をシェアするほど大きな吹き抜けから陽がたっぷり注ぐから木製のブラインドを上手く利用して光の綾を楽しむ
余裕のある敷地なので、寝室や廊下から出ることができる大きなバルコニーには、たっぷりと広い天井を載せて雨の日でもさまざまに楽しめそうな空間に 二人の姉妹には将来二つのお部屋に分けられるように設計してある
【住宅DATA】 藤沢市 I邸
敷地面積 / 263.07㎡(79.42坪)
延床面積 / 180.72㎡(54.66坪)
1階 / 93.98㎡(28.420坪)
2階 / 86.74㎡ (26.230坪)
構造 / 木造(在来工法)
2階建5LDK+ガレージ
家族構成 / 4人(子ども2人)