
シンプルで機能的な暮らしを求めるミニマリズム。和モダンにかわって近年注目されているのは、自然素材を活用し、サステナブルでシンプルな北欧スタイルにほどよく日本の伝統を融合させたJapandi(ジャパンディ)。施主がとことんこだわった理想的なスタイルにスターホームが寄り添いながら完成した茅ヶ崎市T邸をご覧ください。
日本の伝統美と「余白」を愉しむ、カラー&ライティングの妙
前号でも大きな反響を呼んだ、神奈川県茅ヶ崎市のT様邸。施主であるご主人の原風景には、故郷・岡山県で目にした「美しい木の家が並ぶ街並み」がありました。その記憶を日本の伝統意匠へと昇華させ、北欧の合理的な美意識と掛け合わせたT邸は、今もっとも新鮮で洗練された空気感をまとっています。
奥様が掲げたテーマは「余白のある家」。必要最小限の家具と、厳選された落ち着きのある装飾。引き算のデザインを徹底することで、シンプルでありながら、どこか心安らぐ温かみに満ちたリラックス空間が実現しました。
エントランスに足を踏み入れると、まず目を引くのが床の「なぐり加工」です。千利休が茶室に採用したのが始まりとされるこの伝統技法が、訪れるゲストを心地よい緊張感と共に出迎えます。 リビングの隣には、空間を緩やかに仕切る小上がりの和室を配置。そこに誂えたオリジナルの障子は、外からの強い陽射しを柔らかな光へとろ過するだけでなく、冬には冷気を遮断する高い断熱性能も兼ね備えています。見た目の美しさだけでなく、日本の気候風土に適した「用の美(ようのび)」が、ここには息づいています。



日本の伝統美を取り入れるためには、茶室のようなアースカラーがおすすめ。木や土の色を基調とすることで、温かみのある落ち着いた空間が生まれます。また、ジャパンディスタイルでは、「余白」の概念を取り入れて、余裕のある空間を設けることが大切です。直接的な光ではなく、障子を介した柔らかい光を取り入れます。和紙や木を使った照明器具も光を優しく拡散し、温かみのある上品で落ち着いた空間に貢献します。

北欧の「ヒュッゲ」と日本の「和」が響き合う理由
冬が長く日照時間の短い北欧では、家の中での時間を豊かにするために、自然素材を多用したシンプルで機能的なデザインが発展しました。心地よい時間や空間を意味する「ヒュッゲ」という習慣は、今や世界中で愛されています。
一方、畳や障子といった伝統素材をベースに洋の要素を足していく「和モダン」に対し、「ジャパンディ」は北欧の洗練されたミニマリズムをベースに、日本の繊細な引き算の美をエッセンスとして取り入れるのが特徴です。 白やグレー、ベージュといったニュートラルなアースカラーを基調に、質感豊かな自然素材を組み合わせる。この「高い機能性」と「ノイズのない美しさ」の両立こそが、現代の暮らしに豊かな「癒し」をもたらしてくれます。
こうして生まれたジャパンディの住まいは、年月を経て木や土が味わいを増し、家族の成長と共に美しく変化していきます。
しかし、こうした特有の世界観を美しく統一するには、色合いや間取りはもちろん、目に見えないディテールまで綿密な計算が欠かせません。建てた後では変更できない部分が多いからこそ、設計の初期段階から理解し合い、信頼できるパートナーに相談することが理想への近道です。





ジャパンディな家は日本と北欧、両方の良いところを取り入れられる、インテリアスタイルです。自然素材を積極的に取り入れることがポイントで、木や畳、漆喰などの自然素材は、空間に温もりと落ち着きを与え心地よい環境を作り出します。和風:北欧を3:7の割合で取り入れるのが理想とされています。

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