建築家が建てる自邸には、同居人の意見以外、それほどの制約が見当たらない。
結果的に、その土地の環境、方角、高さなど特性を十分に吸収した設計になる。
この「なみへい庵II」は現在まだ、家づくりとしては未完成だそうだ。
セオリーにとらわれず、必要に応じて変化する家。
オリジナリティにはそれなり、味がある。
本編は2015年8月取材・撮影したものです
BUILDERS NOTE
この敷地は、山の緑あふれる鎌倉の閑静な住宅地に位置し、私道の袋小路という特徴を利用して、最大限オープンな空間を計画しました。近隣の山、隣地の庭の借景はもちろん、フロアレベルで広がる屋外デッキ、室内の回遊性や均一な温熱環境を考慮した建具の無い1Rなど、小さな平屋とは思えないほどの広さを感じることができます。また、既製品を殆ど使わないオリジナリティにこだわり、窓の特性(景色を見る、光・風を入れる、風を抜く)を全て使い、風が抜け、明るさに溢れた家となっています。
DATA
神奈川県鎌倉市なみへい庵II
敷地面積/132.8㎡(40.1坪)
延床面積/53.08㎡(16.0坪)
1階/53.08㎡(16.0坪)
L階/12.10㎡ (3.6坪)
用途地域/第一種低層住居専用地域
構造/枠組壁工法 木造平屋建て
間取り/1R
設計/山本寛之(クラシック一級建築士事務所)
施工/株式会社バウムスタンフ
家族構成/3人(こども1人)
MATERIAL
外部仕上げ
屋根/ガルバリウム鋼板葺き
外壁/米杉ベベルサイディング
内部仕上げ
床材/ミャンマーチーク 15mm
壁/シナベニヤ目透貼 素地仕上げ 一部レッドシダー貼り
天井/プラスターボード AEP仕上げ