20年もの英国暮らしから帰国、生家であった葉山の土地で60年以上が過ぎた住まいを建て替えたFさん。釣りや自転車などのアクティビティをストレスなく楽しむためのインナーテラスとウッドデッキ。敷地の北側に広がる景色を満喫するために、南を閉じて北側を広げるという逆発想。遊び心と暮らしを楽しむためのアイデアが功を奏した「男が惚れる木の住まい」をご覧あれ。
釣り、自転車などアクティブに活動されるFさん。天候に左右されないテラスコートには遊び道具をたっぷりと収められる大きな収納と、おもに魚をさばくためのシンクを置いた。このまま奥に進めば庭のウッドデッキと一体化する。動線を極めた大人の遊び場だ
エントランスは南向き面となり、庭のある北側(写真1)からは葉山の緑山が望める。南北を逆手にとって景色を優先させた。当然ながらウッドデッキには囲いがなく庭、山と視界がひとつになる
土地の高低差をうまく利用したF邸。黒の外観は堂々たる風格を見せる。写真1の開けた面が北斜面で2が南面となる。その理由は北方向に見える葉山の美しい景色にある
葉山で育ち英国で20年以上を過ごされたFさんのワークルーム。スポーティに、シンプルに暮らしていらっしゃるスタイルが生粋の葉山人らしい
1階のリビングはテラス、ウッドデッキに対して大開放のサッシを採用して部屋の内外を一体化させた
BUILDER’S NOTE
安定感のある黒が印象的な外観は、日本的な美しさを醸し出す。テラスコートを建物の一部として取り込み、雨天でも利用が可能。屋外の趣味を楽しむには最適な場所だ。さらにテラスはそのままデッキへとつながり、内外一体化した解放感が生活に潤いを与えてくれる。 見上げたその先には日差しに照らされて美しく映える北側の借景が目に飛び込んでくる。日々の暮らしを想像しただけでわくわくする「男が惚れる木の家」である。