
19歳のスペインの女性パトリシアがたったひとりでバックパッカーとして日本にやってきた。
日本文化に魅せられた彼女は再び訪日。日本に住みはじめて14年、
ついに古都鎌倉で中古の平屋を購入しリノベーションを完了した。
家のコンセプトやレイアウトは彼女自身がデザインし、「和風ミッドセンチュリー」をテーマに、
部屋ごとの細部に至るまで考え、素材なども自分で探して選んだパトリシア自身の傑作だ。
取材・撮影◎藤原書店(ワイズオフィス)
取材協力◎株式会社COCO-HOUSE (鎌倉市)

春が近づくころ、休日の朝、鎌倉は相変わらずたくさんの観光客が繰り出しはじめている。商店街の店主はオープンに向けて忙しく店を整えている。住人はといえば、のんびりと遅い朝を迎えているのか、愛犬との散策を楽しんでいる。週末の鎌倉の平凡な風景だ。
そんな喧騒から少し離れた裏通りに町に馴染んだセンスの良い平屋がある。鉄製の紋のようなものが入った扉が中央に鎮座していて、住人は只者ではない空気が漂っている。
前述のようにパトリシアは19歳の頃日本にやってきて、日本の自然や食べ物、日本人気質、手作業(クラフトマンシップ)に魅せられたと話す。それから数年後、わずか3000ユーロを握り締めて単身で日本へ再び舞い戻ってきた。日本で暮らすためだった。彼女と夫のリシュは同い年の夫婦だ。スペインとインドのカップルで、ともに都内で広告関係の企業で重要なポジションについている。美男美女のパワーカップル。



ふたりが鎌倉のココハウスに相談を持ちかけたのは、地元ならではの情報をもっていたから。比較的広く、中古の日本家屋で平屋。そんなポテンシャルのある中古住宅はなかなか出てこないのが実情だと担当者は話す。難題のオーダーだったが彼女は諦めてはいなかった。
はじめてこの家を見学した時は長い間住んでいなかったため、家自体がかなり傷んでいたようだ。よって、ほぼスケルトンの状態まで解体、シロアリ対策を施して工事は進み、2025年4月に引っ越しを終えた。


通常より低く重く感じる玄関扉を開くと正面の大きなガラス窓の向こうから中庭が飛び込んでくる。頭上にはひとつひとつ木目を不揃いにした天井が和の趣で出迎えている。
部屋の構成はとてもシンプルでこの玄関間を中心に左右に分かれる。右がリビングダイニング、左手がふたつの居室だ。コの字の真ん中がウッドデッキでその先には灯篭やししおどしを置いた庭がある。室内の素材や置き物、暮らしぶりはご覧のとおり。GAIJIN(外人)が住むとこうなる、の典型的な空気感にただただノックアウトされるのだった。
本件施主のパトリシアさんはこのリノベーションプロセスを通じて、インテリアデザインや家具・アンティークのセレクトに強い関心と情熱を持つようになり、現在ほかの住宅や店舗プロジェクトにコラボレーションしています。ご興味のあるかたは編集部までお問合せください。









リノベーション前の画像はこちら
提供:パトリシア












<取材協力>

株式会社COCO-HOUSE
<鎌倉本店>
〒248-0012 神奈川県鎌倉市御成町11-7
TEL : 0467-38-8130
<葉山店>
〒240-0113 神奈川県三浦郡葉山町長柄1583-17
葉山ステーション内
TEL : 046-876-6013
<SPECIAL THANKS>
リノベーション会社:株式会社ユウホームデザイン
庭師:川端武史様(庭匠 有限会社 京家)







