鎌倉・逗子ハイランドの一角に築13年を経過し熟成した趣のある住宅がある。外壁に使用した木と、周囲の樹木はともに同じ時間を過ごしたことになるが、その色、成長のほどはとても環境に馴染んでいる。穏やかに流れる時間の中で、キリガヤの住宅はなぜ、こんなにこの街に似合うのだろう。
海外勤務が長かった施主のT様。購入した築浅い家を建て直すことに決めてから、まず向かったのがキリガヤのモデルハウス(東逗子)でした。
「ピカピカの家は嫌だった」というのは、やはりロンドンやNYで落ち着いた暮らしに慣れていたからだろうか。ちょうどそのころモデルハウスもオープンしたばかりで、大きな柱や梁、珪藻土などの自然素材を多様した堂々たる構えが評判でした。なにより信頼のおける地元住宅メーカーであることが大きな決め手となりました。
さて、1階には薪ストーブのある吹き抜けのリビングダイニング。玄関のゲストの姿も視界に入るくらいオープンな空間となっている。見上げれば大きな梁がこの家の重厚さと安心感を与えてくれる。
キリガヤの特徴のひとつであるスキップフロはこの頃からすでに多用されていました。部屋それぞれに変化を持たせることができるし、なんといっても収納を多く取ることができる(通常のおよそ1.3〜5倍といわれている)ことは居間でも建築事例が多いことでも証明されています。さらにどこにいても家族の気配がいつも感じられることも嬉しい。
キリガヤの住宅で共通することは施主の方々の湘南らしいオープンなライフスタイル。人を招くことを厭わない自由で大らかな暮らしです。
13年を経過した感想をお聞きすると「ずいぶんと落ち着いてきたなあ」と施主様。T邸はこれからもおだやかな街並に馴染んで静かにたたずんでいることでしょう。
(取材:2012年)