
神奈川県鎌倉市S様邸 取材・撮影◎藤原書店(ワイズオフィス) 取材協力◎株式会社COCO-HOUSE (鎌倉市)

オーバーツーリズムが社会問題になるほど加熱しているニッポン。訪れるツーリストは日本の伝統的な街並みや生活習慣に期待をもっているが、ここ鎌倉は東京から最も近い国際的文化都市だ。古都の風情はひとびとに心の安寧を提供しているが古い建物や街並みに、若い世代が新しくセンスのいいカルチャーをしっかりと植え付けている。古くて新しい魅力がある。
鎌倉は都会に住む日本人にとっても住んでみたい憧れの街。「かまくら」の4文字はブランディングにおいても有利な要素でもあるが、ご夫妻はそんな鎌倉で人気のジュエリー工房を展開し大きな成功を収めている。
相模湾を正面に、山を背後にした鎌倉。観光客と地元住民もふくめごった返す鎌倉駅周辺には、ほんの数分歩を進めてみると喧騒を忘れる道がいくつもある。とある谷戸の細い坂道を山に向かって登っていくと、天守台のような高台に見上げるように置かれた邸がご夫妻の住まいだ。
10数年前に東京都内から逗子に移住し、鎌倉での賃貸住宅も過ごしてこの土地に巡り会ったのは2018年。購入したのは中古住宅のついた見晴らしの良い土地。建物の解体後に更地に立つといろいろとアイデアが浮かんできた。
「やりたいことは全部やろう」
広いリビング、天井のあるアウトドアBBQ場、露天風呂、、、。しかしコロナ禍で資材や流通が停滞して外構が未完成のまま日常生活を始めた。すでにコ2021年の秋を迎えていた。

坂道のてっぺん、高い場所にある敷地には広い芝生と谷戸を望むように幅広の建物がある。三方が山に囲まれた邸は、樹々に溶け込むアースカラーのシンプルなファサード。正体すると左手に屋根のあるアウトドアキッチンBBQ場が目に入流。多少の雨や強い日差しから逃れることができそうだ。室内1階は大きな吹き抜けのあるリビング、ダイニング、エントランスを挟んで室内浴室、その向こうに露天風呂が直線的に配置されている。2階も寝室、居室と直線に整列する配置だ。2階の主寝室から望む谷戸の先は海の方向であり、そこはまるで城主の天守閣のようでもある。
「建物はイメージ通りにできあがった」とご主人。完成からすでに4年。朝8時には徒歩で15分程度の鎌倉の事務所に通い、「家での晩酌が一番」と7時頃には自宅に戻るのがルーティーン。


「夜は静かで真っ暗です。てっぺんだから誰も来ないしプライベート感はあります。建物はイメージ通りですが想定外だったのは虫の多さ。たぬきやリス、アライグマもいっぱいいますよ」と余裕の笑みだ。
人気の湘南でも鎌倉の不動産は価格も高いが唯一無二のブランド力がある。価格がブランド力をさらに高めるという、上昇気流はまだまだ止まることはなさそうだ。しかし移住のための手段はある。豪邸だけではない、ユニークな土地、中古マンションや戸建てリノベーション。いろんなバリエーションが鎌倉の懐の深さでもある。そう、鎌倉移住を諦めてはいけない。



神奈川県鎌倉市S様邸
■敷地面積/421.02㎡(127.30坪)
延床面積/183.00㎡(55.36坪)
1階/110.55㎡(33.44坪)
2階/72.45㎡(21.92坪)
構造/木造2階建て
間取り/4LDK
設計・施工/(株) DAISHIN HOUSE NEW(横須賀市)
家族構成/3人
<取材協力>
株式会社COCO-HOUSE
<鎌倉本店>
〒248-0012 神奈川県鎌倉市御成町11-7
<葉山店>
〒240-0113 神奈川県三浦郡葉山町長柄1583-17 葉山ステーション内







