A邸のご主人は生粋の葉山育ち。この土地は子どもの頃から住み慣れた場所だ。
8年ほど前から転勤のためご家族で福島に住み、2011年春に葉山に戻る予定の矢先にあの東日本大震災を体験された。猛烈な揺れに今でも恐怖を感じるという。
こうした苦い体験もあって、立て替えを依頼するハウスビルダー選びは慎重に慎重を重ねた。雑誌、インターネット、近所の工務店周り、住宅展示場めぐり、、、。
「木の家がいいな」という大きな望みと、キリガヤが採用する強い地震にも負けない「SE構法」はもちろんのこと、他の現場で見たキリガヤの基礎工事の丁寧さに納得し決め手となったと話される。
少し道路から下った土地と2階建ての隣家がある環境から「暗くならなければいいが」というAさんの懸念も、高窓を配した吹き抜けによって一気に解消されている。
こどもの頃から知り尽くした土地の特性のひとつに、家の北側を流れる小川からいい風が吹き抜けること。そんな自然の特性や終の住処として1階を家族の生活の基本とすること。そんな要望をキリガヤに伝えて提案された企画はとてもイメージにあったものとなった。
住宅の性能、安全性、デザイン、そしてなにより「信頼性」がプレゼンテーションの有効な鍵となったことは間違いなさそうだ。
SE構法とは
SE構法は大規模建築同様の立体フレーム解析を行った、ハウスメーカーも認める技術の裏付けがなされた構法です。木造でありながら接合部の強度に優れた準ラーメン構造※として、壁や柱の少ない空間を安全に設計することを可能にし、大きな吹き抜けや広々としたLDK、ビルトインガレージや屋上ルーフバルコニーなど、これまでの在来木造や2×4では不可能だったプランニングも可能にしています。
(取材:2012年)