「最初にこの土地を見に来たとき、隣のうちの庭かと思いました」
というほどの狭小の土地。
敷地間口4.2mしかなく、関係諸法を考えると建物の幅は3m。
室内の幅は電車の車両とほぼ同じ幅です。
敷地面積は61.23㎡で建ぺい率50%、容積率100%、住宅ローンの最低融資面積が70㎡以上。
地下室を設けなければならない土地です。
しかし大きなドライエリアもとれない。
『この建物のキーポイントは窓の位置と地下から2階までの階段の位置でした。
この細長い土地は東西に長く光を採るのが容易ではなく、
南側に2軒家が建っていてその2軒の間が採光のポイントで、
そこには螺旋階段を設置して窓を出来るだけ高い位置から
地面まで設け建物全体、地下へと光が届く様にし、地下室の内壁には欄間を設けました。』
2階のLDKはなるべく広く感じられる様にスッキプフロアや壁を斜めに配置し、
家具はすべて作り付けに。
リビングがより開放的に感じられるようにと、広いデッキバルコニーを設けました。
そう、狭小土地の3フロアを、建築家泉谷吉信氏は、
その制限をあえて楽しむことにしたのです。
狭小土地の3フロア、ヒドュン・ストーリー。