施主のSさんご夫妻は、お子さんが生まれた頃から家を建てることを計画していたのだけれど、
転勤もあり、借家暮らしで「家を建てられない時期」が2年間ほどあったそう。
その間に奥様がノートに記してきた山のような「やりたいことリスト」。
カフェっぽい家、子どもが楽しめる家、自然素材、50年経っても飽きない家、無骨なかんじ、
アイアンと木のコンビネーション、和室が欲しい、リビング階段、二階フリースペース、黒板、タイルを使う、、、、。
そしてたくさんの希望の中で集約されたことは、地元の建築家、工務店であること、
子どもの学区を変えたくないことから、地域限定で、
建築家と一緒に土地をさがすことからはじまりました。
「溜め込んできたたくさんの希望をぶつけて、これはいい、
それはだめって、いっぱい相談しました。
だから一緒になってつくってきた感がとても強いんです。
この家には好きなところがいっぱいあるんです」
と奥様。
元気いっぱいの三人のお子さんたちが家を駆け回る。
遊び道具や本やおもちゃもそこらじゅうに出しっ放しの暮らしなのに、なぜか寛容になれるのは、
リビング階段や高低差を付けた各部屋や、大きな吹き抜け、
勾配天井がなす大空間がそんな煩雑さを吸収してしまうからなのかもしれない。
きっと子どもたちには楽しくてしょうがないお家なんだろうね。