このコーナーは庭(外構)に欠かせない緑(植物)の存在を考えてみましょう。
緑は、内からも外からも、とても大事な要素となります。そこに暮らす人達にとって生き生きとした緑の存在は、自然を身近に感じさせ、安らぎを与えられるものであり、外からは建物をより魅力的に見せることができます。
したがって、内からも外からも見え方を意識してバランス良く植栽することが、大事です。中・高木だけでなく、低木や下草を添えることで、自然な雰囲気を醸し出すことができます。
1、樹木の分類
樹木は、大きく常緑樹と落葉樹に分けられます。常緑樹は、一年中変わらず緑を楽しむことができ、目隠しや生垣にも最適です。
落葉樹は、四季折々の変化があり、春の芽吹き、花の時期、秋の紅葉と楽しむことができます。冬は、落葉してしまうので、常緑の低木等を添えると良いでしょう。また、株立ちの樹木は、根元から何本も幹が分かれるため、一本でもボリュームアップします。
- ヤマボウシ(落葉樹)
- シマトネリコ(半常緑樹)
ヤマモミジ(落葉樹)
2、樹木の配置
樹木の配置で気を付けたいことは、数本植える場合、生垣以外はなるべく一直線にならないように植栽することです。高低差をつけながら、不等辺三角形になるよう植栽すると納まりが良いです。
また境界周辺だけに植栽せず、建物に近いところに植栽することによって、手前の樹の枝を通して庭を眺めることができ、庭に奥行き感が生まれます。また建物の南側に落葉樹を植えると、夏の日差しが窓を通して室内に入り込むのを防ぎ冬は落葉することで、日差しの恩恵を充分に受けることができます。
3、植物の選択
植物は、植栽する場の環境に合うものを選択する必要があります。陽の良くよくあたるところを好む植物(陽樹)と日陰を好む植物(陰樹)がありますし、潮風に強い植物、湿気に弱い植物など、植物を生き生きと育てるには、その性質を良く知り適所に植えることが大事です。近隣に植わっている樹木等植物を良く観察し参考にすると良いでしょう。
陽樹で潮風に強い植物
ドラセナ(陽樹)
オリーブ(潮風に強い樹木)
ブラシノキ(陽樹)
4、低木と下草
中高木を配したら、次に低木を添えます。主となる樹木とのバランスを良く考えて、相性の良いものを選びます。また下草はできるだけ宿根草を選ぶことで管理が楽になります。宿根草は、常緑のものもありますが、葉が枯れてしまっても根が残りまた翌年芽を出します。
地面を覆うように広がっていくようなグランドカバーに適した下草もあります。芝生はその代表的なものです。常緑の玉竜とかヒメイワダレソウなどの踏まれても丈夫な強い植物は、アプローチや園路等の踏み石の間に植えると自然な雰囲気を醸し出すことができます。
⑫ヒメイワダレソウ(地被植物)
⑬一才ズイナ(落葉低木)
⑭ギボウシ
⑮ローズマリー
⑯アガパンサス
⑰クリスマスローズ
⑱ツワブキ
⑲ヤブラン
5、メンテナンス
庭もまた建物同様つくって終わりではありません。居心地の良い庭を維持していくためには、年々成長していく植物の手入れは欠かせません。水遣り、消毒、剪定等、植物の状態、時期に応じて手を入れる必要があります。
例えば、樹木の枝が伸び過ぎて混みあってくると風通しが悪くなり、病気を発生しやすくなります。時にはプロに依頼することで、樹形を整えてもらうことも大事です。良く手入れされ、年月を経た庭にはそれなりの風格が出てきます
取材協力
株式会社キリガヤ ガーデン事業部
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