沖縄の成長が著しい。全国どこの観光地でも外国人観光客を目にする昨今だが、特に沖縄はハード面での観光インフラが急速に充実しつつあるようだ。2千億円を投じた第二滑走路もオリンピックまでには開業するし、大手資本のリゾートホテルも5~6軒開業予定という。中でもハワイで有名な最高級ホテルのハレクラニも参戦するというから驚きだ。鉄道のない沖縄での移動はレンタカーとバスが担っているが、那覇のバスターミナルも現在拡張工事が進められている。バブル再来を危惧する向きもあるが、地価や家賃も上昇すれば、ホテルの宿泊料金も上がり始めるのは当然だろう。
現代建築の琉球家屋「新民家VILLA」
そんな沖縄の新しい、そして大人向けの楽しみ方をご紹介しよう。まずは宿泊だが、ホテルを避けて、「 AIR B&B」という民泊サイト、通称「 エアビー」を積極的に活用する方がお得で面白味がある。民泊と言っても主の住む個人宅の一部屋を借りる、というものではなく、豪華な一軒家からコンドミニアムまで、じつに多彩な選択肢がある。沖縄は物件が非常に多く競争が激しいので、サービスレベルも高く、実にリーズナブルだ。夏のシーズンならば、リゾートホテルのツインで概ね4~5万円が相場だが、3LDKの豪華コンドミニアムでも半額程度で選択可能だろう。マンションなので、キッチンや洗濯機も含め、生活に必要なものは何でも揃っている。家族なら大幅にコストカットができるはずだ。まるで自分の別荘のように優雅に滞在するなら、一軒家をお勧めする。
観光客や街の喧騒を避けるなら、北部が最適だ。北部最大の街は名護。質の高い飲食店もたくさんあるし、大手スーパーもある。ここを起点に美ら海水族館に近い、本部町や今帰仁( なきじん)エリアに洒落たセカンドハウスが点在している。本部町の山の中腹にあるコテージは、清潔感のあるモーターホームでオーシャンビュー。最大4人泊まれる格安の物件だ。テラスのハンモックから眺める海は実に美しいし、満天の星空と静寂は何物にも代えがたい。もう一軒は今帰仁の集落にひっそりと溶け込むお洒落な物件、「 新民家VILLA」。建築雑誌にも取り上げられる新しいコンセプトの琉球家屋で、リゾートホテルの料金に近いが、2ベッドルームのスイートヴィラと思えばお得だろう。どちらもシーズンによって料金は変動するし、早目の予約が肝心だ。
OCEANVIEW COTTAGE
北部にはピークシーズンにも関わらず、人けのないビーチがたくさんある。グーグルアース、そしてストリートビューを駆使して、お気に入りのビーチを見つけるのも面白い。特にお勧めしたいのは、「 清流」だ。沖縄と言えば青い海だが、北部では川遊びもできる場所がある。名護から少し北にある「 源河」。河口から川沿いに辿れば、観光客が一人もいない河原に降りられる。そこはまさに熱帯のジャングルだ。本土の川は水温が低く、大人が泳ぐのは難しいが、何せ沖縄、標高も低いし温かいのが嬉しい。
新しい、そして自分だけのお気に入りを見つけるのは旅の醍醐味。以前行った旅先でも、ちょっとした挑戦や冒険が旅に新鮮さと深みを与えてくれるはず。暮らすように滞在し、秘密のビーチで海に沈むサンセットを眺める。これこそ幸せの瞬間だろう。
今帰仁(なきじん)、誰もいない秘密のビーチ
文:真先聡*まさきさとし/1958年生まれ。『安いだけじゃ大人じゃない、高いだけでもシャレがない』をテーマに旅を続けるオシャレオヤジ。健康から遊びまで薀蓄が深い。
AMWAY IBO